飼料プラントでは、とうもろこしや大豆油かす、ふすま、米ぬか、魚粉など、さまざまな飼料原料を取り扱います。原料によって粒径、かさ密度、水分、流動性、付着性などの性状が異なるため、貯蔵・切り出し・輸送・計量・混合の各工程で発生するトラブルも変わります。
なお、家畜用・養殖水産動物用などの飼料と、犬・猫用のペットフードは、関連する法制度上は区別されています。飼料は「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼料安全法)」、犬・猫用のペットフードは「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」の対象です。
本記事では、主に配合飼料プラントを対象に、原料の受入れ・貯蔵から、粉砕・篩分け、計量・混合、必要に応じたペレットなどの二次加工まで、代表的な工程と粉体原料を扱う際の課題を解説します。実際の工程や設備構成は、製品の種類や原料、工場の設計によって異なります。
これらの原料は、粒径、粒度分布、かさ密度、水分、流動性、付着性、凝集性などの特性が異なります。そのため、同じ設備でも原料によって排出性や輸送性が変わることがあります。
安定した供給や混合を実現するには、原料の性状に応じてホッパー、フィーダー、輸送設備などを適切に選定・設計することが重要です。
配合飼料の製造工程は工場や製品によって異なりますが、農林水産省が示す製造工程の一例では、原料の受入れ・保管後、粉砕や篩分けなどの一次加工、計量・混合を行い、その後にペレットやクランブル、マッシュなどの製品形態に応じた加工を行います。
これらの問題は、供給不良や配合精度の低下、製品品質のばらつきにつながる可能性があります。そのため、個々の装置だけでなく、前後工程とのつながりを含めて設備条件を検討することが重要です。
水分や保管条件などの影響によって流動性が低下したり、凝集しやすくなったりする原料では、ホッパーや排出口で排出不良が発生することがあります。ホッパー内で原料が架橋するブリッジや、中心部だけが排出されるラットホールなどがその例です。
原料がスムーズに排出されないと、次工程への供給量が不安定になり、ライン停止や計量・配合精度の低下につながる可能性があります。
魚粉など、油分や水分などの性状によって付着性が変わる原料では、輸送条件によって配管内壁への付着・堆積が問題になる場合があります。また、粒子を高速で輸送する工程では、原料の粒径や粒子形状、輸送速度、配管形状などの条件によって、配管やバルブなどに摩耗が生じることがあります。
摩耗が進行すると、配管の損傷や粉漏れ、部品の短寿命化につながる可能性があります。そのため、原料性状や輸送条件に応じて、輸送方式、配管仕様、集じん設備などを検討することが重要です。
配合飼料では、ビタミンやミネラルなどの微量原料を含め、配合量を適切に管理する必要があります。計量誤差が大きくなれば、設定した配合量との差につながる可能性があります。また、計量が適切でも、混合が不十分であれば製品中の成分分布が不均一になることがあります。
さらに、粒径やかさ密度、粒子形状などが異なる原料では、混合後の搬送・貯蔵・排出時に偏析が生じる可能性があります。偏析は、製品中の成分分布の不均一につながるため、計量精度だけでなく、混合性能や混合後の搬送条件まで含めて管理することが重要です。
飼料のGMPにおいても、適切な計量範囲の計量機器を使用し、その精度を定期的に確認することや、配合混合機の精度を確認することが示されています。
飼料プラントでは、設備の安定稼働だけでなく、原料の安全性・品質を適切に管理することも重要です。農林水産省のGMPガイドラインでは、原料の規格を定め、供給者の管理状況や検査結果を確認するなど、原料の調達段階から安全性を確保する考え方が示されています。
また、配合飼料工場では、原料の受入れ・保管から粉砕、混合、二次加工、搬出まで各工程の衛生管理や交差汚染防止が重要です。農林水産省の資料でも、原料の規格確認、設備内の付着物・残留物の除去、清掃、工程管理、製品検査などが示されています。
粉体・粉粒体原料は、粒径、粒度分布、かさ密度、水分、流動性、付着性、凝集性などによって挙動が変わります。そのため、ホッパーやフィーダー、輸送設備を選定する際には、原料の性状を把握したうえで設備仕様を検討することが重要です。
例えば、ホッパーからの排出量が安定していても、その後のフィーダーや輸送設備の能力が不足していれば、ライン全体の処理能力を確保できません。反対に、輸送能力を過度に高くすると、原料の偏析や摩耗、粉じんなど別の問題につながる場合があります。
そのため、原料受入れ、貯蔵、切り出し、粉砕、計量・混合、輸送、二次加工までを一連の工程として検討することが重要です。
既設の飼料プラントを改造する場合は、新しい設備の仕様だけでなく、既存設備との接続条件や設置スペース、既設機器の能力、配管・電気・制御設備などとの取り合いを確認する必要があります。
また、改造工事では生産設備を停止できる期間にも制約があるため、施工方法や工程、試運転まで含めて計画することが重要です。
飼料プラントの建設・改造では、装置単体の仕様だけでなく、原料受入れから貯蔵、計量・混合、輸送、二次加工までの工程を一連で検討することが重要です。
特に既設ラインの改造では、限られたスペースや設備停止期間に加え、既存設備との取り合い、配管・電気・制御設備などの条件を踏まえた設計が求められます。
また、原料の粒径、かさ密度、水分、流動性、付着性などによって適した設備条件は異なります。原料性状の確認から設備方式の選定、施工、試運転まで、案件に応じて必要な範囲を対応できる体制か確認するとよいでしょう。
当メディアでは、既設ラインとの取り合いや配合条件を踏まえ、原料受入れから供給・輸送まで一連で検討できる粉体プラントエンジニアリング会社を紹介しています。配合飼料工場の設備計画にお役立てください。
粉体プラントエンジニアリング会社は日本国内だけで350社※1以上も存在するため、自社に適した会社を見極めるには膨大な時間と手間がかかります(2026年6月時点)。
ここでは、粉体プラントの設計・改修で代表的な4つの工場分野(樹脂・コンパウンド工場/食品工場/医薬品工場/電池・電子材料工場)ごとにおすすめの会社を厳選していますので、比較検討の最初の一歩としてご活用ください。
樹脂・コンパウンド分野における累計1,400件のプラント受注実績※2に基づき、グレードによって異なる摩耗・ブリッジ・偏析など樹脂原料特有の課題や既設ラインとの取り合いを見越して設計・構築。
既設設備を活かした改造・増設により、生産計画への影響を抑えながら、新グレードの立ち上げや生産能力の拡張を進められます。
食品プラント関連事業を50年以上※3手掛けており、品種ごとに専用のコンテナを使い分けるIBCシステムを提供しています。
品種切替はコンテナを交換するだけで済み、前品種の原料が残留・混入する経路自体を断てるため、アレルゲン・異原料のコンタミリスクを構造的に抑えることが可能です。
原薬マルチプラントや高薬理対応設備の建設実績※4と、医薬品原料開発を手掛ける日本曹達グループの知見を基に、作業者が原薬に触れる工程を抑える封じ込め構造や、クロスコンタミ対策を含むGMP前提の設計に対応。
医薬品ならではの厳格な水準で、クロスコンタミ・曝露リスクを抑えた粉体ラインを構築できます。
電池・電子材料用途の粉砕機・分散機開発からプラントエンジニアリングまで対応。卓上実験機から量産機まで扱い、ナノ領域の粒度・分散制御技術で研究開発時の状態を量産ラインでも再現できます。
摩耗・金属コンタミを抑える独自技術で不純物混入を防ぐことも可能です。品質のばらつきを抑えながら、歩留まり向上や安定生産に貢献します。